オリエンタルランドのヒト育てに学ぶ その③ ~人づくりの労務管理

「自分の存在が認められている」と感じることでモチベーションが高まる

前回、前々回と、オリエンタルランドでは「あなたと社会に、もっとハピネスを。」というミッション(=会社が存在している意味・目的)が全キャストに浸透し、正しく理解されていること、ミッション実現のための「行動基準」と「優先順位」が設けられ自律的な行動がなされているというお話をしました。

今回は、オリエンタルランドにおける「リーダーシップ」についてのお話です。

                                                                                                                           大前提にあるのは「ホスピタリティマインド」をもって人の模範になる行動がとれる、ということです。ホスピタリティマインドとは、「おもてなし」や「思いやり」の意味があります。「自主的、主体的に相手を思いやるマインドを持つことによってはじめて相手からの信頼を得ることができる」という考えによるものです。このマインドがなければ、どんなに立派な言葉を使ったとしても相手の心には響きません。仕事を教えるスキルなどは、その後にくるものなのです。結局、上司と部下または先輩と後輩の関係である前に「人と人」の関係を良好に構築することが大切だということです。

良いリーダーは「よく見て」「マメに声をかける」

オリエンタルランドにおけるリーダーであるためには以下が重要とされているそうです。

  • ホスピタリティマインドを土台としたリーダーシップを持っている
  • ゲストをよく見ている
  • メンバーをよく見ている
  • マメに声をかける
  • 改善点を見つけたらすぐに行動を起こす

人事考課や昇給・昇格についてのアンケートをとると、上長が自分のことを理解していないことに不満や不信を抱いているケースが多くみられます。つまり、「上長は自分のことをキチンと見てくれていない」と思っているのです。リーダー達は「各メンバーの仕事をジロジロ見るのは監視をするようで嫌だから」と影からこっそりと見るのではなく、「堂々と」見るほうが良いです。その結果、「日頃からよく見てくれている上長の評価だから間違いないだろう」と公平感・納得感をもって人事考課を受け入れてくれます。そして、見ていて何かを感じた際にはすぐに「声を掛ける」ことが重要です。ちょっとした声掛けが見てくれていることを実感させます。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              

結果にだけ注目せず、プロセスや行為そのものにも目を向ける

褒める際、つい結果にばかり着目してしまうのが人間の心理です。しかし、褒める時には「成果+頑張った姿勢」を合わせてフィードバックすると、部下は自分自身の行動を認められたことに喜びをおぼえ、次の仕事へのモチベーションに繋がります。たとえ結果が良くなかった場合でも、プロセスの中で「認めるべき部分と改善すべき部分」を合わせて伝えることで、結果だけでなく自分の行動をよく見てくれているのだとより強固な関係を築くことができます。結果はもちろん重要ですが、メンバーの成長をサポートするためには、行動や頑張りにも目を向けて、声に出して承認してあげることです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました