オリエンタルランドのヒト育てに学ぶ その④ ~人づくりの労務管理

やる気に満ち溢れるメンバーに対しては「コーチング的対応」をする

前回、リーダーに求めるスキルについて「よく部下を見て、マメに声をかける」、「プロセスや行為そのものにも目を向け、声に出して承認してあげる」ことが、メンバーとの信頼関係構築やモチベーション向上につながるとお話ししました。

今回も引き続きオリエンタルランドにおける「リーダーシップ」についてのお話です。       リーダーは、メンバーをよく観察し、その状態に合わせて対応を変えます。   

心身ともに充実し、やる気に満ち溢れるメンバーに対しては、コーチング的対応をします。     自ら「目標設定」をさせ、自分自身の考えと行動によって達成に向かう過程で、必要な時にサポートします。あまり大きすぎない目標(スモールステップ)を設定することもポイントで、成長を積み重ねてもらいます。本人が仕事に対して意欲を燃やしているので、上長は方向付けを軽くサポートしてあげるだけで勝手に成長していきます。とても理想の状態と言えます。

疲れている・悩んでいるメンバーには「カウンセリング的対応」をする

一方、心身ともに疲労したメンバーには、徹底して傾聴するカウンセリング的対応をします。

相手が話し始めたら「途中で遮らずに最後まで聞く」こと、相手の話に「相槌を打つ」、相手の「気持ちを代弁する」などが傾聴にあたります。知識も経験も多いリーダーにとっては様々な悩みやトラブルを乗り越えてきたという自負があります。それだけに、出来るだけのアドバイスをしてあげたいと思うものですが、ここはぐっと抑えてまず聞くことが最優先となります。

ここで重要になってくるのは、「共感性をもって」聞いてあげるということです。人は自分の話を聞いてもらえるだけで癒されます。その話に共感をしてもらえればなおさらです。           傾聴には次の3つのポイントがあります。

  1. 評価しない
  2. 同情しない
  3. 結論を急がない

これらをおさえて傾聴することが大切です。黙って聞いていられない、喝を入れたくなる、答えを与えたくなる、という気持ちも分かります。しかし、部下を育てるために必要なプロセスと考え、こらえてください。

なお、部下の落ち込みがあまりにも深刻な場合には、産業医や専門医への相談を促すことも必要です。

フィードバックにより自信を持たせる

自分の行った行為に対し、プラスのフィードバックがなされると、人は自信を持ちます。

ゲストからの「ありがとう」の感謝の言葉はもちろんのこと、先輩や同僚からの「すごく良くできているね」「みんな喜んでいたよ」というフィードバックも効果的です。もしマイナスのフィードバックをしなければならない場合には「頑張っているね。でも〇〇をもう少し改善しよう。それができればバッチリだよ」としっかりとフォローすることが必要です。                     これにより「上司は自分のことを見てくれている」という気持ちになりますのでモチベーションは下がることはありません。

自律を妨げるような手助けはしない

良かれと思って必要以上に手を差し伸べてしまうことがあります。しかし、これがメンバーの成長を妨げていることもあるのです。見守ることも重要です。成長のチャンスを与えることもリーダーの役目と考え、自主性を尊重する姿勢、器量を持つことが大切です。

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